つづりもの

小さな暮らしのあれこれ

親として

子どもの成長をどう見守るか。見守るって、どういうことなのか。考えています。
ひと言でいうと、難しい。

どうしても欠点(勝手にそう思うところ)が目に付いて、何とかせねば、何とかしてやらなければと思います。この子のために…と。
それは悪いことではないけれど、それだけではいけない。
図書ボランティアの集まりで話していた時、子育ての先輩は、
「チャンスは来る。親はアンテナを張り巡らせて!」
と教えて下さいました。そして、何よりも大切なのは、
「本人が自己肯定感を感じていること」
が大前提だと念を押しました。

 

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金曜、土曜と空手の練習が続き、土曜は特練で、いつもとは違う練習日でした。徳島や滋賀の道場の先生方が来て下さいました。いつもは2〜3人の方に指導してもらっていますが、昨日は6人でした。子どもたちは6人と、中学の先輩が2人。
そしてその夜『お疲れさま会』打ち上げがありました。会には息子と卒業生の娘、そして私の3人で参加しました。
その席で、滋賀の先生が、
「今日の組手で一番怖かったのは〇〇くんでしたよ。」
と息子の話をしました。息子は組手を嫌っています。こわいから嫌なのですが…(型は大好き!)

理由は、
「きちんと決めてから、すっと後ろに下がるんです。きれいだしカッコいい。そして、優しい。相手が嫌なこと、痛いことはしない。だから速く決めてくるんです。」
ということでした。
いつも見て下さっている先生も、
「空手は優しくないとダメ。優しくないと暴力になる。〇〇は、とにかく優しいから教えなくても決めてくる。絶対に当ててこない。それは持って生まれたものなのよー。」
と付け加えて下さいました。

そのあと、息子も大人たちの元に呼ばれて、たくさんほめてもらいました。
会の最後には、子どもも大人もひとりひとり、みんなの前に立ってスピーチをしました。
息子も娘も、もちろん私も話しました。私の心配は息子でした。いつも、人前で話すは苦手だと本人が言っているし私もそう感じているからです。

息子は夏に行った徳島での審査について話しました。私には話したことのないもので、親から離れて、仲間と共に宿泊させてもらった師範の家での思い出話でした。他の人が話したこと(〜頑張りました。〜楽しかったです。)ではなく、自分の思い出を自分の言葉で話しました。そして笑いを取り、場を和ませました。
聞いていた私は、とても不思議な気分でした。息子なのに息子でない気がしました。
「来年も審査に行きますか?行きませんかー?」
会場からそんな声が飛びました。
「はい。行きます!」
息をのみました。困った顔で今にも泣きそうになっている息子を想像していた私は、固まってしまいました。いつも指導して下さっている先生方も、私と似た表情でした。少しからかったような、試すような口調で「行きますか?行きませんかー?」と問われたのに…

空手を勧めたのは、息子を変えたいと思ったからです。空手を極めて欲しいとか、空手が上手くなって欲しいとかそういうものではありません。(空手でなくても何かしらの武道をさせたいと考えていました)
今でも息子は、習い事はなにもしたくない、ただただ家でのんびりしていたいと言います。だから「無理やりさせている…」これは良いことではないのかもしれないと、事あるごとに悩んでいます。好きなことをさせてやりたいと望んでいます。子どもは、好きなことをのびのびとすることで健やかに育つと考えています。それなのに…と悩みます。

息子は変わったのでしょうか。
最近、息子は変わったのではなく、これが息子の姿だと感じるようになりました。

これまで、空手の指導者であり私と同じ母という立場の方に、何度となく相談してきました。
その方は、
「優しいからいいねん。」
とはっきり言います。
親の私からすれば「優しい」ではなく「人見知り」「頼りない」と思ってしまうところを、いつも私を励ますように、
「だから、いいねん。それが〇〇やねん。」
と仲間たちにも伝えて下さいます。
息子のことも、そして娘のことも、
「めっちゃ強い。ぞくっとくる。」
なんて…言ったりします。それは、空手の技だけでなく、空手を通して感じるものだと言います。

親として…
人との出会いのチャンスを与えることは出来るのかもしれません。
空手の仲間は、住んでいる場所も学校も違います。先生方も徳島や滋賀在住だったりします。次の大会では、徳島の仲間とチームを組んで戦います。

自分に自信がなく、家族のことをただただ心配するしか出来ない私だけれど、わが子を見守る力が付いてきたのかもしれない。そんな私のことを…私が好きなことをする姿が好きで、家族は応援してくれます。

何が正解なのか…分からないけれど、手を離しても大丈夫だと感じられるようになった わが子たち。夏休みの宿題も、自分で計画を立ててやっています。私は手を出さないので…(宿題は親のためじゃないし)

親バカ万歳。